「ICOFORT国際会議2018 in彦根」開催報告(2018年10月23日~26日)
去る10月23日から26日にかけて滋賀県彦根市において開催された「ICOFORT国際会議2018 in彦根」は、記念シンポジウム、学術発表、展覧会等の行事を実施し、多くの市民、国内外からの参加者を集めて、成功裡に閉幕しました。
当社団も実行委員会メンバーとしてこの会議の開催を支え、各国の関連団体との交渉を担ってきました。
ICOFORTはユネスコ世界遺産の答申等を行うイコモスの国際学術委員会のひとつで、城塞や要塞、軍事施設等を扱う部門です。
彦根市は国宝5城のひとつで世界遺産候補となっている彦根城を擁し、今回、日本の城郭をめぐってグローバルな視点から広く議論を起こすためにこの会議を誘致し、世界から城郭問題に詳しい専門家を集めたという経緯があります。
「城郭の世界史 - アジア・ヨーロッパ世界と彦根」と題された記念シンポジウムでは、安土桃山から江戸初期にかけて一気に花開いた壮麗な天守をもつ我が国の城郭群をヨーロッパや中国・朝鮮の城塞都市と比較して議論を勧めました。
また、会場内では展覧会「世界の城郭」が開催され、井伊家ゆかりの甲冑や工芸品などに加えて、参加国からの城郭の図面や模型などが一堂に展示されました。
この会議は城郭や城塞都市などに関する世界遺産の方向を決める上で大きな意味をもち、特にアジアの「軍事」遺産をどのような視点で評価するかについてさまざまな論点が提示されています。
会議の報告集は、当社団から年度内に発刊される予定です。